自分を変える節目を考える@ZAGUMI:なんで「今」こうなった? ~変わる節目で見る勇気の源泉~ セッションレポート 自分を変える節目を考える@ZAGUMI:なんで「今」こうなった? ~変わる節目で見る勇気の源泉~ セッションレポート

みなさんはどのように暮らし、働きたいですか?
さまざまな企業で副業が解禁となり、
またフリーランスやパラレルキャリアが普及している今、
自分がどう働いていきたいか、どういう暮らしをしたかを
考える機会が増えてきています。
やりたいことがあってもどう仕事に繋げていいか分からないし、
新しい生活スタイルに一歩踏み出すのが怖かったりしますよね。
思い切った決断の裏にはどんな想いやドラマがあったのでしょうか?

ゲスト:阿部 珠恵(ルームシェア・シェアハウスガイド、ライター)
ゲスト 阿部 珠恵 ルームシェア・シェアハウスガイド、ライター
ゲスト:カズ・山田(アンチエイジングトレーナー)
ゲスト カズ・山田 アンチエイジングトレーナー
ゲスト:柴田 大輔(BETTARA STAND コミュニティビルダー)
ゲスト 柴田 大輔 BETTARA STAND
コミュニティビルダー
ファシリテーター:田村 英彦
ファシリテーター 田村 英彦 (株)ふろしきや 代表
第5回目となるZAGUMIセッション会場であるBETTARA STAND日本橋に20名の方が集まりました。今回は自分で道を切り開いてきた3人をお招きし、「節目」についてお話しいただきます。

第5回目となるZAGUMIセッション会場であるBETTARA STAND日本橋に20名の方が集まりました。
今回は自分で道を切り開いてきた3人をお招きし、「節目」についてお話しいただきます。

田村英彦:(以下 田村)
人が変わるときって誰しも「節目」があると思うんです。今日はその「人生の節目」について3人にお伺いできればと思います。
これまでの人生でさまざまな節目を「思い切った」決断をし、今の働き方や生活スタイルを切り開いてきた人です。
面白い話が伺えると思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
阿部珠恵:(以下 阿部)
阿部珠恵といいます。まだシェアハウスが一般的になる前に、女3人でシェアハウスを始めました。
今は住人が12人にまで増え、そのうち2組が夫婦で最近子供も生まれた家族もいます。「シェアハウス わたしたちが他人と住む理由」という本も出版させていただき、常識にとらわれない新しいライフスタイルや働き方を模索したいと思っています。
カズ・山田:(以下 山田)
カズ山田です。現在ベストエイジングコーチという肩書でパーソナルトレーナーをしています。
私は町工場の長男の生まれで家業の工場を継いでいたのですが、53歳のときに工場を畳んで、パーソナルトレーナーの道に進みました。
主にアンチエイジングやコンディショニングをテーマにしています。
柴田大輔:(以下 柴田)
ここBETTARA STAND日本橋のコミュニティビルダーをやっている、柴田大輔といいます。
みなさんよろしくお願いいたします。
田村:
年齢層も幅広い皆様に来ていただいています。参加者の皆さんは本日、何に関心があっていらしたのでしょうか。
参加者:
私は今25歳なんですが、仕事を通じて自分の人間性や価値観を模索するにあたり、色んな方に会うのが大切だと思い参加しました。
参加者:
現在サラリーマンなのですが、働き方に違和感を覚えています。人生一度切りだから、面白いと思うことをやってみたい。そのヒントを得られるんじゃないかと、飛び込んできました。
田村:
皆さん「節目」というキーワードが気になった方や、働き方を模索したいという方が多いようですね。

― 人との繋がりで変わる未来がある。シェアハウスが教えてくれたこと。(阿部珠恵)

― 人との繋がりで変わる未来がある。シェアハウスが教えてくれたこと。
阿部:
働き方、悩みますよね。私も新卒で入社したのが人材系の会社で、常に「うちの会社で何をしたいのか」を問われる環境にいたので、キャリアプランが見えず悩んだ時期もありました。そこで60歳までの年表を書いてみたんです。ちなみに、自分の未来年表を書いたことのある人はいますか?いらっしゃいませんね。私の場合は同居していた友人と書きました。最終的に私は、いい感じの椅子に揺られるおばあちゃんになりたいなって思って。そうなるためにはどんな人生を歩むか、今何をしたらいいだろうか、書き出していきました。このとき「本が出したい」って書いていたんですよ。1年ごとに振り返りをして、アウトプットを具体的にしていきました。
田村:
実際本を出したときのエピソードが聞きたいです。「本を出したい」となってからどのようなステップを刻んだのか、とても気になります。
阿部:
起業したい人に「何の起業をしたいの?」と聞くと「それはわからない」っていう人いるじゃないですか。私の本を出したいっていう欲求も同じだったんです。それじゃあ今自分がやっている中で一番面白いものは何だろうと思ったときに、シェアハウスが思い浮かんだんです。当時はシェアハウスやっている人ほとんどいなかったので、マンションを借りるとき10軒近く断られたんですよね。でも私はシェアハウスをしたほうがコミュニティが常にある状態でいいなあと思ったんです。そこで知り合いの出版社の人をご飯に誘って、勝手に企画書を作って渡したら編集会議にだしてもらえることになって。そこからとんとん拍子に進みました。やってみるものですね(笑)
田村:
本当にそうですね!シェアハウスのどんなところが面白いと感じているんでしょうか。
阿部:
シェアハウスに住むことって他人との常識の擦り合わせなんです。一人が何かにイライラしていても、別の人が間に入ることで喧嘩に発展しないんですよね。この環境の中で夫婦が一緒に暮らせば喧嘩も少なくなるんじゃないかという仮定が私の中にあったとき、シェアメイトの一人が結婚したんです。相手も別のシェアハウスで暮らしていたということもあり、結婚後も一緒にシェアハウスに住むことになりました。今はその夫婦に子どもがいて、子育てを住人みんなで手伝えるし、たまに夫婦の愚痴を聞いたりとかもして(笑)、夫婦が住みやすい環境にあると思っています。
シェアハウスにどっぷり浸かることでたくさんの方にお会いし、逆にシェアハウスも一つの生き方でしかないんだと思えるようになりました。シェアハウスのコミュニティが、自分の中で色んな選択肢を持てる気づきを与えてくれたんです。

- ものづくりから人づくりへ。今までの人生はこのためにあった、大きな決断(カズ・山田)

- ものづくりから人づくりへ。今までの人生はこのためにあった、大きな決断
田村:
山田さんは現在パーソナルトレーナーとしてご活躍されていますが、ラジオもやられていたり、ブログも毎日アップされていたり、とても精力的に活動されていて、僕自身山田さんのその姿にとても勇気を頂いています。もとは家業の町工場を継がれていたと思うのですが、そこからパーソナルトレーナーに転身した節目をお聞かせいただければと思います。
山田:
実家は埼玉県大宮市にある町工場で、継ぎたくないけど継がなければいけないのかという悶々とした思いを持って幼少期過ごしてきました。やはり継ぐのが嫌だったので、最初はデパートに就職したんですが、父親から戻ってきてくれとお願いされ、町工場に戻りました。職人の世界は癖のある人が多く、年齢も自分より上なので頑固な人が多かったですね。人間関係もどろどろしていて、それがすごく嫌だったので2~3年して別の内装の仕事に就いたんですが、また親に戻ってきてほしいと頼まれ戻ることになります。
もう一度戻ったときには、さらに工場内の人間関係が悪化していたんです。2代目として会社を継ぐことになりましたが、ストレスでうつ病になってしまいました。何もやる気が起きず、眠れない生活をしていたとき、友人から「土の上を少しでもいいから歩いてみたらどうか」という助言をもらい、少しずつ気持ちが回復していきました。運動することで気持ちよさを得られたんです。そのときに運動が身体や心に影響を与えることを実感しました。
山田:
その後リーマン・ショックや東日本大震災で景気が下がり、受注量が7割も落ち込みます。
息子からも「継ぎたくない」という意思表明をされ、従業員の高齢化や一台2000万もする機械を入れ替えることを考えたとき、やめるなら今だなと。53歳のときでした。
田村:
奥さんはなんとおっしゃったんですか?
山田:
もう十分やったからいいんじゃない?と言ってくれました。ストレスを抱えて辛そうにしていたのを感じていたんだと思います。
参加者:
つらい時期に工場を続けられたモチベーションというか、今振り返ってみて感じることはありますか。
山田:
そうですね。今まで工場以外にも営業職や郵便局、デパートの販売など色々やってきたんですが、人の話を聞くうえでとても役立っていると思います。一人ひとりにドラマがあるんですよ。人に言えていないことも多いので、そこをうまく聞き出してあげることで楽になるんです。今年からラジオを始めたんですが、ゲストの方の話を伺うことで聞き方も昇華していると感じていて、自分の今までの人生はこのためにあったんだと思っています。
参加者:
どれくらいでパーソナルトレーナーの仕事は軌道に乗り始めたんでしょうか?
山田:
最近ですね。最初はフィットネスクラブを通じて仕事をしていましたが、直接お客様と繋がったほうがいいと思い、やり方を模索しているところです。来年からは実家の一室を借りて行う予定です。
参加者:
山田さんが人と関わる中で一番伝えたいメッセージみたいなものってありますか?
山田:
身体って面白くて、何歳からでも変われるんです。85歳のお客様もできないことができるようになったり。すごくいい仕事をさせてもらっているなあと感じています。
日本人は健康に対してもっと目を向けていいんじゃないかと思います。食べるものに関してもそうですね。もっと私たちは変われるんです。やりたいことをやるためには元気で健康が一番。健康でいることで将来もっと楽しむことができると思うんです。

- 自分を仕事に変えていく。新しい一歩を踏み出すためには(柴田大輔)

- 自分を仕事に変えていく。新しい一歩を踏み出すためには
柴田:
僕はもともと友だちが少ないんですが(苦笑)、ブルータスの「鎌倉にひとり、ともだちを作ろう。」を読んだときにこれだ!と思い鎌倉に引っ越したのが転機でした。あるスペインバルで飲んでいたときにスカウトされ、アルバイトを始めることになったんです。そこから設計の仕事を頂いたり、友人のウェブの仕事を手伝ったりと、いつの間にか3足のわらじを履く生活になっていました。仕事をやっていく中で、自分は人と話すのが得意だと思い、ちょうど募集していたシェアハウスの管理人になります。このようにコミュニティを獲得しながら生きてきました。 ただ、どれも待ちのスタンスが強い仕事ばかりでもどかしく感じてもいました。そこで持っている仕事を全て他の人に任せることにしたんです。ちょうど手が空いたタイミングでこのBETTARA STANDのコミュニティビルダーの募集を目にし、自分だ!とすぐ連絡しました。
参加者:
コミュニティを作っていきたいのでしょうか。
柴田:
というよりは、発信したいんです。インプットするものが、知っているものばかりになってきたので、アウトプットのフェーズに入ったんだと思い、イベントという形で発信を試みています。だから僕は自分のことをイベンターだとは思っていないんです。
参加者:
先ほど3足のわらじを履いていると仰っていましたが、いろんなことをやる中でぶれていると感じることはありますか?
柴田:
ぶれないために、やりたくないことをやらないようにしています。好きなものはほぼ固まっているので、そのアンテナをしっかり立てて、他のものは捨てる。選択肢を少なくすることで余白を作りました。
田村:
いろいろやっていると思いますが、やることを整理する時間は設けてます?
柴田:
朝にタスク整理とインスピレーションを落とす時間を1時間くらい設けています。午前中は生み出す時間、午後はイベント準備や作業、という形でなんとなく時間でやることを分けてはいますね。
参加者:
一つの仕事をずっとやっている人が多いと思うんですが、そこから人がやったことがないような場所にいく怖さはありましたか?皆さんがどういう風に向き合っているのかも気になります。
阿部:
やったときのリスクを考えますね。シェアハウスを発信することも、友人は叩かないだろうと思ったのでやってみようと思ったんです。働きながらやることで、そこで居場所がなくなることもないですし、お金がすごいかかるわけでもないので。
田村:
やりたいと思ったときに形にしたほうがいいと思います。旬な時期ってあると思うんです。不安や怖さを持ち出してやらないよりも、失敗してもいいから形にするリズムを大切にするというか。最初はとても勇気がいりますが、そこを乗り越えると自分のリズムが分かってくるんですよ。
柴田:
よくどうやって生計たててるの?と聞かれることがありますが、イベントの単価だけみるとそれだけじゃ生きられるわけがないんですね(笑)ほかの仕事とバランスをとりながらやっている感じです。
山田:
私は年齢が年齢なので、いくしかないんですよ。立ち止まったら年齢がすすむだけなので振り返る時間ももったいないなって。行動したら誰かが手伝ってくれるかもしれないですよね。やってみないと見えてこないものってあるんです。そこがモチベーションになっています。
参加者:
周りに協力してくださる方がいても自分に自信が持てないんです。客観視して勝手に自分を分析してしまうんです。どうしたらより自信を持てるようになるんでしょうか。
山田:
私も思い悩むことはありますが、やっちゃえ!が先にあります。58歳だからふり幅振ってとにかくガンガンやっていっています。
田村:
思ったより他人は自分のことを見ていないし、気にしていないんです。それなら行動に移したほうが、自分が得るものも大きいですよ。
田村:
小さな一歩でも、踏み出した道は色んな道に繋がっているんですよね。
飾っていたり、他人行儀な伝え方ではなく、ありのままの声を聞くことで「自分も踏み出せるかも」と思っていただければ嬉しいです。
本日はありがとうございました!

編集手記

何かを成し遂げている人は、最初から秀でた人だと思ってしまいがちですが、実は私たちと何も変わらないのかもしれません。
ひとつ言えることは「勇気」がある人なのだということ。人間とは不思議な生き物で、いざやりたいことができる環境が目の前に現れると、尻込みしてしまうことがあります。今までの生活を変えたいと思っても、その生活には何が起こるか分かる安心感があります。しかし、新しい環境は何が起こるかわかりません。そこに飛び込むのに不安や恐怖が邪魔をする。きっと少しの勇気で変わる未来があるんだと思います。今日登壇された3名からその勇気を頂いた方、多いのではないでしょうか。

BETTRA STAND 日本橋

山崎 麻梨子
山崎 麻梨子 1990年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後オーガニックのセレクトショップにて販売員として働く。もっとつくり手の想いに触れたいと、日本のものづくりを伝えるwebメディア「セコリ百景」に参画。株式会社アスノオトにて、都市と地域を繋ぐコーディネーターを育成する地域共創カレッジ事務局も務める。
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